部屋は寝に帰るだけ
部屋よりも街に住むという選択肢
独身生活者の中でたまに見かけるのが、自分の部屋には眠りに帰るだけが目的の人です。
そのような人の部屋は寝室の機能さえあれば充分です。
狭い部屋に寝具と洗面用具などがあればそれで間に合ってしまうのです。
では、なぜそのようなライフスタイルをとる独身者がいるのでしょうか。
理由はいろいろ考えられますが、多くの場合次のような理由によるものだと思われます。
だれもいない寂しい部屋に帰るぐらいなら、夜遅くまで外で過ごしていたい。
1人でいるより他人と接していることが好きな人などがこのように思います。
また、普段は1人の暮らしに寂しさを感じたりせず、むしろ1人暮らしが好きな人でも、時として1人自室にいるのが辛く感じるときもあります。
そんな時に、独身者の部屋は寝に帰るだけのものになってしまうのです。
では、そんな独身者は夜遅くまでいったい何をしているのでしょうか。
まず、夕食はもちろん外食で行きつけのお店などでとります。
その後は趣味や娯楽の時間で、ある人は習い事、またある人はパチンコ屋で遅くまで粘る人もいることでしょう。
喫茶店で新聞を読んだり、読書などをして寛ぐ人もいると思います。
そして、夜11時頃に帰宅して歯を磨いてそのまま寝てしまうのです。
このような独身者の生活形態を見ているとあることに気づきます。
それは何かと言うと、彼らは街に住んでいるということです。
自分の部屋に住むというより、街全体を自分の部屋のようにしてしまっているのです。
行きつけの定食屋のおばちゃんを自分の母にみたて食事の世話をしてもらい、喫茶店を自分の書斎にし、さらに銭湯を自分の浴室として使う。
やっていることは普通の人と同じです。
違いは、家の中か外かの違いだけです。
そして、こう見てみると、このようなライフスタイルにも多くのメリットがありそうです。
自分の部屋でちまちま暮らしているよりも、外のいろんなお店を利用することで多様な文化に触れることができます。
さらに多くの人とのふれあいがその人の考え方にも影響を与えるかもしれません。
これから独身者がいっそう増加する時代に、このような暮らし方は、独身生活にある種の楽しみを与えるかもしれませんね。